一月の終わりに

あっという間に月末になってしまった。

気づけばNAMM 2017が始まっていたり、Logic Pro Xがバージョンアップしていたり、Wavesが大盤振る舞いをしていたり、と音楽/楽器業界も随分動きが多い。

NAMMは日本にいるのでYouTube等で情報を見るくらいだが、Logicは自動アップデートがいつの間にかオンになっていて、ある日起動したらいきなりバージョンアップされていた。DAWを使う人は保守的な人が多いと考えられるから、アップデートが即反映されるというのは好まない人も多いだろう。実際僕も一瞬ゲッとなったが、今の所特に不具合なく使えているので一安心。なお、機能的にはかなり前進している模様。UIもかなり見やすくなった。

アップグレードされた際、ふとLogicのサウンドライブラリのインストール状況をチェックすると、使う可能性のありそうなコンテンツが結構ダウンロードされていないことに気づいた。良い機会だから早速今ダウンロードしている。時間がかかるから、こういうのはやはり寝る前が良い。

そういえばGaragebandもアップグレードされて、ある程度新しいiOSデバイスであればAlchemyが使えるようになった。LogicのAlchemyとプリセットが共通かどうかは未確認だが、それはともかく、Garagebandにこのシンセが入ると、アプリケーション全体が相当豪華になったと感じられる。実際、Alchemyをちょちょいと使えば、iPadで作ったとは思えないようなトラックが出来てしまうかもしれない。

また、今回のGaragebandのアップデートはトラックのテイクを取っ替え引っ替えする機能も加わり、作り込みたい人にとってますます良い選択肢になりつつある。これでオートメーションが本格的になったら、Logicとの境が本当に曖昧になる……と言うのはちょっと言い過ぎかな(iOS版だとさすがにオートメーションは音量だけらしい。一方Mac版Garagebandではプラグインのパラメータもオートメーションできるっぽい)。

GaragebandとLogicの違いをアマチュアとプロの違いとして捉え、あくまでLogicこそがプロユースだと仮定すると、プロとは一体何だろうか、とちょっと考えてしまう。アプリケーションに限っていえば、それは重箱の隅がつつけるかどうか、操作性が快適かどうかという点がかなり大きいのではないか。そういう意味では今回のLogicのアップデートは非常に好ましい。他のDAWにあってLogicにはないような「ちょっとした機能」が次々と実装されている。このようなOSやハードウェアの地道かつ良質なアップデートがAppleの一番の魅力(←近年影を潜めている?)だが、今回のLogicは非常に良いアップデートだった。開発チームに感謝! そういえば、プロユースの話に欠かせない要素として音質の話も絶対出てくるのだが、ハードウェアも絡んできて面倒になるのでパス。

一月中、音楽活動に関してはあまり具体的な動きはなかったが、構想を考えたり準備をしたりということをずっとやっていた。まずそれをちゃんと考えるのが結構大変で、手が進まないうちはイライラしたりもしたが、なんとなく見通しが出来てきたら気分はかなりスッキリした。色んなことと同時進行なので大変だが、腐らず、へたらず、やっていこうと思う。


以下は音楽に関係のない話。

そういえば、Amazonプライムビデオで観ることができる「Good Wife」という弁護士ドラマに一時ハマった。サスペンス感満載のドラマという感じではなく、零細弁護士事務所に務める人たちの日常的光景が面白く、シーズン1を結構なスピードで観てしまった……が、まだ数話残っている。おそらくシーズン2以降は観ないと思うが、せめて最初のシリーズだけでも全部は観ておこうかな。

Amazonプライムビデオといえば、ケララの風IIのご夫妻や横浜ボートシアターのメンバーが大絶賛するインド映画『きっと、うまくいく』も視聴可能になっていた。いつプライムから消されるかもわからないし、なるべく早く観ておきたい。

最近目覚ましを何回かけても止めた記憶がなく、相当時間が経って起床するという事態が頻発している。親には「歳のせい」と言われてしまったが、不幸中の幸いというべきか、寝覚めはむしろ以前よりも良くなっていて、明らかに深く眠れてはいるようなのだ。まだまだ悲観するべき状況ではないと踏んで、対策を考え中。第一弾として、大音量目覚ましとスマート電球を注文した。

新年を迎えて

年末は大掃除をしたり、若干体調が芳しくなくて作業のペースが落ちましたが、本日からまたバリバリやっていきたいと思います。こちらには全く何も書いていませんでしたが、水面下では色々やっています。

横浜ボートシアターでは、『フランドン農学校の豚』と『遠藤啄郎の「アメリカ!」』という新作二本の仕込みがすでに2016年秋から始まっています。どちらもボートシアターらしいハードなテーマですが、テイストとしてはかなり喜劇的な作品です。

『フランドン農学校の豚』、いつものように音楽をやるだけではなく、どうやら役がついてしまいそうな雲行き……不安です。こちらは今年中に公演する予定のようです。

一方、『アメリカ!』は純粋に音楽担当なので一安心(?) 音楽的な面において今までと違う関わり方ができそうなので、とてもワクワクしています。こちらの本公演は来年になる模様。この作品は遠藤さんの「自伝」的な作品で、戦争というキーワードを中心に、戦後の様々な人間的状況が描き出されています。今いろんな切り口で現代史の勉強をしているのですが、それも非常に楽しいです。

なお、ボートシアターとしては、まだ本決まりでないものの、某作品の公演オファーがあったりするようです。今年も結構忙しくなるかも!

いつも劇団の舞台作品が優先になってしまうので、それ以外のことも今年は少しはできたらいいなと思っております。実は今日もそういう作業をしていました。

あと、今年はもうちょっとこっちの方も更新していけるように努力します。

それでは、今年もよろしくお願いいたします。

語り『にごりえ』@シアターX

毎日書くくらいの気持ちでいましたが、随分久しぶりの更新になってしまいました。

つい先ほどまで東京・両国のシアターXで『にごりえ』の本番でした。
『にごりえ』は、毎度必死に喰らいつくことを余儀なくされる、非常に噛み応えのある語り作品です。
今回は本番前の稽古回数が少なかった上に、音付けのイメージや手法がかなり変わりました。
おかげで、本番当日まで色々試行錯誤することになってしまいました。
もう何度も再演しているのに、要領の悪さは一向に改善しないなあ……
それでも、今後の課題こそあれど、現時点では後悔のない出来まで持っていけたのは良かった。
これから先も、この作品が上演される機会があるといいなと思います。

さて、『にごりえ』が終わり、次は『どんぐりと山猫』そして『極楽金魚』です。
これまた再演ものですが、ちょっと間が空いているだけあって、関わる人全員がレベルアップしているはず。
来週から稽古が始まりますが、とても楽しみにしております。
合間を縫って何とか音楽的な仕掛けもしていきたい!

楽器練習のテンポ設定について

楽器を練習するとき、メトロノームは、ゆっくりなテンポから少しずつ目標値を目がけて上げていくことが多いかと思います。

僕は今まで、特に何の疑問も持たずに5刻みや10刻みでメトロノームの数字を上げて練習していたのですが、ふと先ほど、「この刻み方だと、テンポが速くなればなるほど、増加率が小さくなるではないか!」と気づいてしまいました。かなり今更な話ですが……。

実際、テンポが上がってくると、「さっきとあんまり変わんないな〜」と感じるようになってきます。そんな時、もうちょい思いっきりテンポを上げてもいいんじゃないか? 考える人はきっと僕だけではないはず!?

そんなわけで、本当にうまいアイディアかどうかは別として、増加率を一定にしてテンポを上げるには、どのようにメトロノームを設定すれば良いかを計算してみました。それなりに実用的でありそうな増加率を以下に二つ掲載します。

当たり前ですが、やはりテンポが速くなればなるほどだいぶ刻みは大きくなっていきますね。

(※以下のBPMは全て小数点以下切捨て)

【増加率 0.125 (19段階)】
40
45
50
56
64
72
81
91
102
115
129
146
164
184
208
234
263
296
333

【増加率 0.1 (23段階)】
40
44
48
53
58
64
70
77
85
94
103
114
125
138
151
167
183
202
222
244
269
296
325

断っておきますが、このテンポ設定ならびに増加率設定は完全に適当です。
この設定でうまくいくかどうかは分かりません(個人差もあるでしょうし)。ご興味ある方は自己責任でおためしください。

という感じで、無責任なアイディアでした。

諸々打ち合わせの日

本日は(というか昨日は)、『極楽金魚』装置仕込み・その他諸々の打ち合わせで遠藤さんのお宅へ。

今回、音楽だけでなく、ちょっとした小道具の仕込みもお手伝いすることになりそうなので、そのプロトタイプ(というか、まんま買ったままのもの)を持って行って試したり、スケジュールの打ち合わせをしたりしました。小道具のプロトタイプは遠藤さん・紗矢さん双方ともに結構好評なので、完成後どう料理していただくかが楽しみです。今まで挑戦したことのない分野なので、どうなるか自分でも不安ですが、なんとか作品に貢献できればいいなと思っております。

しかし、8月も結構タイトなスケジュールになりそう……。『恋に狂ひて』の時とそんなに変わらない忙しさ。まあ、油断は禁物とはいえ、今回は本番が近づくにつれてやることは減っていく見込みなので、そこだけはちょっと気が楽です。

『金魚』の音作りはここ一週間くらい中断していて、代わりに楽器の基礎練習を徹底的にやっております。少しでも余裕のある時に集中してやっておかないと、なかなか演奏レベルの底上げは難しいですし(本当はどんな状況であれ毎日やらなければいけないのですが……)。

余談ですが、最近自己管理の参考になればと思って「行動分析学」に関する本を読んでいます。今は実際に応用する際のノウハウが書かれた本に手を出しているのですが、かなりきめ細やかにデータを採取したり、妥当性を検証したりするのだなあ、と感じ入りながら読み進めています。自己管理にそのままの形で活かすことは難しそうですが、エッセンスを取り入れて練習プロセスの改善などに取り入れることはできるかもしれません。

ちなみに、「行動分析学」は「心理学」の「し」の字もないですが、「心理学」のサブカテゴリーらしいです。

ギター音作りの個人史(『極楽金魚』を中心に)

『創作影絵人形芝居「極楽金魚」』は2012年に初演され、以降断続的に各所で公演を重ねている作品。
自らのキャリアの初期に担当した作品ということもあり、音楽は回を重ねるごとにかなりの変更がある。
なぜこの作品を中心に自分のギターの音作りを書くことにしたかというと、それはこの作品で初めてギターを演劇の劇伴に使ったからというだけでなく、複数の時期にまたがって再演されたからということもある。また、割と頻繁に上演していた当時の気分(というか意図)を思い出しておきたいな、ということもあるし、この作品以来、色んな作品でギターを使う契機ともなったし……。と色々と自分のギターを考える上で楔となるような作品なのです。
というわけで、久々の『極楽金魚』で新たに仕込みをする前に、自分のギターの短〜い歴史を勝手に振り返っておこうかなと。

『極楽金魚』では、最初はPCやらジャンベやら色々使ってたんだけど、どんな感じだったかいまいちよく覚えていない。かなり効率の悪いシステムだったことは確か。

これじゃいかんと思い、ギター中心のシステムに変えて最初に使ったマルチエフェクターが、DigiTech RP-355。これは付属ペダルに任意にエフェクトのパラメーターを割り当てられるだけでなく、LFOなんかも利用できたので、複雑なテクスチャを表現する上で、とても便利であった。安めな割には相当作り込める素晴らしいマルチエフェクターです(これは非常時のために今も持っている)。

次に使ったのはRoland GR-55。(自分の大雑把なプレイスタイルのせいもあるけど)GKピックアップが壊れやすいのが仇となり手放してしまったが、かなり愛着のわくギターシンセであった。シンセ部分だけでなく、モデリング、エフェクトも充実していて、音の作り込みが大変だったが、やり甲斐はあった。作った音を片っ端からiPhoneに録音していったりもしたなあ……。今持っていたら、どんな音を作るんだろう、と我ながらちょっと懐かしく思い出せる一品です。

『極楽金魚』はGR-55時代を最後にやっていないが、その間他の作品(『にごりえ』『恋に狂ひて』など)でコンパクトエフェクターをたくさんつないでみたり、LINE6 M13を使ったりもした(LINE6って口車がうまいというか、個々のエフェクトの説明がとても刺激的に感じるんですよね。だから、言葉で聞くと結構ぶっ飛んだ音が出そうに思えるんだけど、実際弾いてみると、予期していたよりは大人しい優等生なサウンド。もちろん、音自体はとてもうまくできているので、普通に使う分には全く問題ない。YAMAHAの傘下に入った理由が、良くも悪くもわかるなあって感じ)。

さて、それでようやく今回のシステムになる。今回はGuitar Rig + αでやろうと思っております。ここに来て、ライブ演奏において一番邪道(?)な方法を試すことになりました(実は、既に『恋に狂ひて』KAAT公演で実践しているんですけどね。)

Guitar RigはPC上で動作するバーチャル・エフェクターとバーチャル・アンプシミュレーターのパッケージ。ギターだけでなく、ベース、さらにはなぜかボーカル用のエフェクトプリセットなんかも入っており、相当色んなことに使えます。

最近Guitar Rigに宗旨替えした理由は、なんてったって荷物が少なくて済むのがでかい。M13にしろGR-55にしろ運ぶの結構大変ですからね〜。

じゃあなんで今までGuitar Rigにしなかったのと言われたら、それはライブでやるにしては、レイテンシーや安定性に問題があると「思い込んでいた」から(数年前の話ですが、雑誌を見てもGuitar Rigはまだライブには使えない、という意見が大勢を占めていた)。

確か『恋に狂ひて』の稽古の時だったと思うけど、ふとAI/FからGuitar Rigの音を出してみたら、レイテンシーが全く気にならない感じになっていて、「これはいける!」と感じて以来、もうこれしか見えない(笑

今回の挑戦としては、MIDI Guitarというプラグインを使って、なんちゃってギターシンセをやったり、Roland KC-110(キーボードアンプ)から音を出してみたり、ということをするつもり。

MIDI Guitar経由のギターシンセ化は色々難がありそうなのですが、ソフトウェアのアップデートにも期待しつつ、なんとか面白い音が作れるようにしていきたいところです。

キーボードアンプを敢えて使うのは、音がSRスピーカーに近い(と思われる)ためです。ギターアンプはやはり周波数特性が特殊で、シンセの音を存分に利用するには辛いところがあります。今思えば、GR-55を買った時に、セットでKC-110とかを買えばよかったんですよねえ……。シンセの音域を存分に引き出せず、悪いことをした……。そういえば、一時期GR-55のステレオアウトから民生用のスピーカー(TimeDomain mini:これは小さい割に結構でかい音が出るし、解像度が結構高いので、小規模公演で重宝した)で演奏していた時もあったな。GR-55の場合、下手にギターアンプにつなぐよりも、こちらの方が正解かもしれないですね。

さて、振り返りはこれくらいにして、次回からは試行錯誤の過程を少しずつ書いていく予定。続く!

2016年7月近況

『恋に狂ひて』KAAT公演が終わり、
なんとなく自分の中で一区切りがついたので、
新たにドメインを取得してブログを書くことにした。
以前使ってたドメインを更新せず、新しいものにした理由は、
前のはURLが直感的でなく、
分かりづらかったから、ということによる。

ここでは僕の考えていることを
なるべく気兼ねせず書いていきたい。
というのも、ボートの公式WEBでも書こうと
思えば書けることは様々あるが、
公開するにあたっては色々と気を使う面もあるのだ。
(劇団員でない僕が書いた記事がずらっと並ぶのも気が引けるし)

昨日は、横浜ボートシアターの制作関係のミーティングがあった。
『恋に狂ひて』KAAT公演に関する作業、反省、
そして今年後半に関することが様々話し合われた。
今年後半のことはまだ水面下のことも多いが、下半期も忙しくなりそうだ。
とりあえず今から準備の連続である。
現段階でも、仕込みで悩ましいことが幾つかあり、
いろいろ調べながら進めている。
現状の横浜ボートシアターで可能な
音楽のあり方というものには毎度様々な条件があるのだ。
しかし、おかげさまでだいぶ勉強させていただき、
以前に比べれば決断のスピードが速くなった。
結果として独自のスタイルが築ければいいな〜なんて思っているが……
とにかく、良い公演になるよう、精一杯やっていきたい。